シルクロード紀行 (2018年 9月) ・  追記:中国あれこれ


      

 (敦煌:鳴沙山)                  (トルファン:高昌故城)

9月初め中国のシルクロードに1週間行って来ました。

今回はシルクロードの天山北路である”ゴビ砂漠”をバスや新幹線で移動しました。

荒涼とした砂漠地帯を走っていると突然緑豊かなオアシスが現れます。

オアシスには三つの形態があり

泉の水によるもの、高山の雪解け水が流れ出る河川によるもの、そして水源池から地下水路で引いた水によるものです。

西安(昔の長安)、敦煌、トルファン、ウルムチを訪れましたが

兵馬俑坑、莫高窟、カレーズなどを見ると中国人の発想や行動力に驚かされます。

 

【 兵馬俑坑 】(西安)

       

兵馬俑は秦の始皇帝陵の陶俑軍団で1974年に農民が井戸を掘っていて発見されました。

何本もの筋状に隊列を組んでいますが、隊列と隊列の間には壁があり丸太を渡して天井があったそうです。

長い年月の間に天井が崩れ落ち、兵馬俑のほとんどは壊れています。

現在約8000体が掘り出され修復中ですが、まだまだ時間がかかるでしょう。

修復済みの兵馬俑は身長が180〜190pあり、顔や髪形がすべて違うので民族が分かるそうです。

ちなみにこの軍団は東を向いていますが、これは中原に興った秦は春秋・戦国時代東方に晋・魏・趙・楚などの敵国があったためです。

始皇帝陵はまだ発掘調査がなされていませんが、壮大な地下宮殿が造られているだろうと謂われています。

 

【西安城郭と大雁塔】 西安

         

(西門)                        (大雁塔)

シルクロードの出発点、西安城郭都市の西門

玄奘三蔵が天竺から持ち帰った仏像や仏典が保存されている大雁塔

 

【青龍寺】 西安

      

(青龍寺)                       (青龍寺で記帳)

弘法大師が修行した青龍寺

青龍寺は「四国88か所」の”0番札所”とも謂れており、ここで記帳

(玉美はセニョーラ、その右の花押はセニョール)

 

 

【 莫高窟 】(敦煌)

      

莫高窟は敦煌郊外の砂漠・鳴砂山の東端の砂岩地帯に造られました。

現在確認されている石窟数は735窟で、4世紀から造営が始められ隋・唐・元と開削が続けられました。

窟内は中央奥に大仏、左右に菩薩や毘沙門天が配置され、前室には色彩豊かな壁画や天井画が描かれています。

明日香村の高松塚古墳で発見された壁画”西壁女子群像”の原画のような絵もありました。

面白かったのは窟ごとに大仏の表情が異なり、奈良の大仏様のように悟りを開いた表情の大仏もあれば

人間臭くまだ悟りを開いていないのでは・・・と思えるような大仏もありました。

観光客が見れるのは一般窟が8窟、特別窟が1窟程度で、ガイドが鍵を持ち鉄扉を開閉し、内部の撮影は禁止という厳しいものでした。

 

【月の砂漠・・・鳴砂山】 敦煌

             

                           

”月の砂漠”的な鳴砂山でラクダに乗ってキャラバン気分を味わった

        

砂漠のオアシス 三日月型の泉 ”月牙泉”

 

 

【 カレーズ 】(トルファン)

               

カレーズとは人工の地下水路のことで、イランやエジプトに多く見られます。

水源池から地下水路で砂漠地帯に水を引き、オアシス都市やその周辺の農耕地に水を供給するものです。

トルファンはブドウの産地としても有名ですが、カレーズは天山山脈から延々と地下水路を掘り

街と広大なブドウ園に水を供給し、その総延長は5000kmにも及ぶそうです。

5000kmとは北海道から九州までを往復する距離です。

何千キロも横穴を掘れませんので80〜100mごとに縦穴を掘り、その縦穴から横穴を掘って繋いでいくという工法で造られました。

水の蒸発を防ぐために地下水路にしたわけですが大変な工事です。

万里の長城(6300km)、京杭大運河(2500km)と並び古代中国の三大工事として有名です。

 

【高昌故城】 トルファン

            

玄奘三蔵が天竺に向かうとき立ち寄り厚遇された高昌国、高昌故城の遺跡と玄奘三蔵像

          

”西遊記”にも登場する地殻の褶曲運動でヒダができた火焔山

 

 

【 楼蘭美女ミイラ 】(ウルムチ)

       

ウルムチは新疆ウイグル自治区の首府で、ここの博物館に楼蘭美女ミイラが展示されています。

このミイラはタクラマカン砂漠の東の今は廃墟になっているオアシス楼蘭で1980年に発見されました。

この時のニュースはセンセーショナルでセニョールも強い関心を持ちました。

人肌色で眠っているような姿の写真が記憶に残っています。

今は空気に触れ、黒っぽく変色しています。

この他赤ちゃんなど7〜8体のミイラが展示されていました。

これらのミイラはエジプトのように人工的に作られたものではなく

タクラマカン砂漠の乾燥した気候により自然にできたものとのことです。

新疆ウイグル自治区はウイグル族・漢族・カザフ族・回族・モンゴル族など多民族で構成されているので

この博物館にはそれぞれの民族の風俗も展示されています。

 

 

中国あれこれ

 

上海・西安・敦煌・トルファン・ウルムチを回り、受けた中国の印象をお話しします。

 

【 入国審査、セキュリティ・チェック 】

(上海国際空港ロビー)

上海の空港で入国審査を受けましたが、15日以内の観光旅行であればビザは不要なのでパスポートのチェックだけで意外と簡単でした。

審査時に顔写真と両手の指紋を取られますが、70歳以上は指紋が免除になります。

年寄りは悪いことをする元気もないだろうとの判断からでしょうか。

しかし飛行機のセキュリティ・チェックは国際線・国内線とも非常に厳しかったです。

特に機内持ち込み手荷物は徹底的にチェックされ、ボディチェックでは全身を触られます。

(女性検査官に触られて実に心地よかったです)

これくらい厳しいと逆に安心して乗れます。

また幹線道路の検問所やホテルのチェックインでは必ずパスポートのチェックと顔写真を撮られます。

犯罪を犯したとき国内での行動をすべて追跡できるように、でしょう。

 

【 新幹線 】

        

(駅待合室)                           (新幹線車内)

新幹線も同様にセキュリティ・チェックが厳しいのには驚きました。

車両はローカルの新幹線でしたので新型ではなく、日本の300系に似た座席も2列・3列です。

日本のように車内アナウンスはないので、車掌さんが何かを言ながら行き来していました。

中國の新幹線の総延長は現在25,000kmで日本の3,000kmを大きく上回っています。

やはり古代中国の三大工事(万里の長城、京抗大運河、トルファンのカレーズ)と同様、中国人の発想と行動力の違いでしょうか。

 

【 発 電 】

    

(ゴビ砂漠の発電風車)                        (敦煌市内の夜景)

ゴビ砂漠には大規模な風力発電所があり風車が延々と設置されていました。

中國の風力発電はいまやアメリカを抜き世界一とのことです。

夜間飛行をすると都市部は明るく、日本のバブル期の100万ドルの夜景のようでした。

中國は電力消費でも世界一だそうですが、石炭火力発電が主力で全体の70%を占めていました。

しかし近年は風力や太陽光など再生可能エネルギー発電への移行がどんどん進められ

火力発電は60%に下がっているそうです。

原子力発電はちょっと遅れているようです。

 

【 農薬問題 】

中國の農産物は農薬の使用量が過剰です。

病虫害を駆除し収穫量を増大させ、14億人の食糧を確保するためには必要悪ということでしょうか。

国民も少しづつその身体的影響に気付き始めているようです。

 

【 高層住宅】

        

上海では市街に出ていないので分かりませんが

西安(人口:870万人)では市内に高層住宅が林立し、オフィスビルはその陰に隠れています。

1戸の価格は1800万円くらいだそうです。

 

【 中国の銘酒 】

西安には中國の八大銘酒の一つ”西鳳酒”があります。

米・麦・トウモロコシを土の中で発酵させて作る蒸留酒”白酒”で香りが清々しいお酒です。

アルコール度が45〜55%なのでたくさんは飲めませんが、中国人は宴会の時「乾杯、乾杯」と杯を重ねます。

これを買って帰り、箱を開けようとしますが頑固に接着されていて開きません。

結局、ドライバーで壊してボトルを取り出しました。

「何故だろう」と考えましたが、中国では一方では偽物が横行しているので

中身をすり替えれないよう頑丈に封印されているのだろうと思いました。

 

【 海抜がマイナスの陸地? 】

地球上に海抜がマイナスの陸地ってあるの?オランダ・ベルギーの−6〜−7mは別として・・・・・。

実はあるのです。

訪れたトルファン盆地は海面より低く、その最低地点はアイディン湖で−154mということです。

調べてみるとヨルダンの死海の湖面は−418mで世界最低地点だというので驚きです。

セニョールも知らないことがまだまだたくさんあります。

 

【 国際関係 】

最近、アメリカとの貿易摩擦問題が浮上していますが面白い光景を見ました。

敦煌・莫高窟ではアメリカ人が仏像や壁画を随分持ち帰えり、部分的に破損個所があります。

ガイドさんの説明では

「アメリカ人はこの莫高窟の仏教芸術を非常に愛してくれて

ハーバード大学やあちこちの博物館に展示されています」

との言い回しをしていました。

本当は「アメリカ人が強奪して・・・」と言いたいのでしょうが

そこは国から「アメリカをあまり刺激しないように」との指令が出ているのでしょう。

強気に張り合っている中国も本音では色々とアメリカに気を遣っているのを感じました。

しかし広大な国土と世界一の人口を有する中国は、10〜20年後にはGDPでもアメリカを抜き世界第一位になるでしょう。

 

 


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